(一社)相模原市獣医師会(以下、獣医師会)は、相模原市が収容した猫に獣医療を提供するための協力体制について、市と「相模原市収容動物の獣医療体制に関する協定」を締結しました。内容は、新たに市内に設置された一時保護施設で収容された猫の健康管理を行い、同時に運用を開始する「一時預かりサポーター制度」と併せて、猫の人馴れを進め、市が主催する譲渡会で新たな飼い主を見つけるというものです。
相模原市には動物愛護センターがなく、かねて獣医師会やボランティア団体から設立の要望が上がっていました。一般的に、動物愛護センターには捕獲、収容、獣医療提供、譲渡といった機能に加えて、啓発活動、動物感染症対策、飼育指導や動物取扱業の管理など、動物、特にペットにまつわる業務が集約されています。 そして、これらの業務を行う行政職員は、多岐にわたる業務を少人数で行わなくてはならないため、とりわけきめ細やかな対応が必要とされる動物愛護分野においては、動物愛護センターが十全に機能していない部分もあるといわれています。
そこで、相模原市の動物愛護センターにおいて獣医師会が目指すのは「コンソーシアム型動物愛護センター」です。これは例えば、収容された動物に対する獣医療(初期医療や負傷動物の治療)の提供は獣医師会と麻布大学、捕獲や健康管理、譲渡については市内ボランティア団体、情報発信や施設管理は民間企業、事務手続きや届け出管理は行政が、それぞれ主導的に行うというものです。また、博物館や科学館としての機能を持たせることで、ペットにまつわる学びを提供する場としても市民に貢献できるでしょう。
“ペットにまつわる社会課題解決の拠点”となる動物愛護センターの設立を目指して、獣医師会は今後も尽力していきたいと思います。